三菱 UFJ フィナンシャル・グループ、三菱 UFJ 銀行および三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券は、業務改善命令および報告徴求に基づき、業務改善計画等を含む報告書を金融庁に提出した。
今回の行政処分では、主に銀行および証券の連携によるビジネス推進において、銀行・証券間における不適切な顧客情報の共有、法人関係情報の管理態勢の不備(三菱 UFJ 銀行の元行員による専ら投機的利益の追求を目的とした取引を含む)、株式や債券の引受けに係る勧誘・交渉といった銀行に認められていない有価証券関連業の実施などについて指摘を受けた。これらの事案についてそれぞれ発生原因を分析し、その上で今回の事案発生の真因については以下の通りであると考えている。
(1) 全体としての問題
銀証連携が積極的に推進される中、連携において遵守すべき手続・ルールおよび一定の内部管理態勢は整備されていたが、グループの総合力を活かして顧客本位の営業活動を実現するという銀証連携の推進のメッセージとのバランスにおいて、実際に銀証連携を行う場合に留意すべき法令等を正しく理解した上で遵守する意識の浸透が役職員の中で十分に図られていなかった。
(2) 営業部署における問題
銀証連携ビジネスが伸長する中、銀証連携に関して営業部署によるリスクオーナーシップの醸成が十分に図られなかった。
(3) リスク管理部署における問題
業務実態に照らして継続的に見直されるべき、内部管理態勢の拡充が十分に図られず、銀証連携の実態に即して、業務プロセス、手続・ルールの明確化が進まなかったほか、営業部署の業務実態を把握し的確にリスク認識する態勢や、リスク管理部署(営業部署内におけるリスク管理機能も含む)におけるモニタリング態勢の拡充が十分なされなかった。
(4) 経営における問題
営業部署の現場において、銀証連携の推進のメッセージと、それに対する手続・ルールの周知・徹底のバランスが崩れつつあるという、経営としての正しいリスク認識が十分なされず、上記の各問題に対し適切な対応がされなかった。
再発防止に向けた改善対応策等、詳細は下記HP参照。