秋田銀行「日本酒の品質向上、地域農業の持続と発展に向けた先進的な取組みを後押し」


株式会社秋田銀行(頭取 新谷 明弘)は、新政酒造株式会社(代表取締役 佐藤 祐輔)による日本酒の品質向上、地域農業の持続と発展に向けた酒米専用高度もみ乾燥調製施設の建設を支援した。

本先は、2015年より秋田市河辺の鵜養地域において無肥料・無農薬による酒米の契約栽培を行っているほか、2016年からは直接農業生産に取り組み、自社栽培面積が今年で14haになった。

この取組みにより、当初20haほどであった当地域における水田利用面積は、2023年には34ha程度まで
回復しているが、契約農家の高齢化や後継者不在などで地域の将来的な農業生産が危ぶまれている。

そのようななか、本先は高品質な酒米の安定確保と高齢化が進む当地域の農業生産維持に向け、これまで契約農家に分散委託していた収穫作業を内製化し、伝統的な地域農業を包括した酒造りを実現すべく、酒米専用高度もみ乾燥調製施設を秋田市河辺岩見のへそ公園に建設した。

同行は、本事業が日本酒の高品質化やトレーサビリティの向上のみならず、さらなる農地集積による荒廃農地の発生抑制など、地域農業の持続と発展につながるものと高く評価し、支援を実施した。

本施設は、収穫後の酒米の荷受けから、乾燥・もみ摺り・選別・出荷という4段階の作業を担う施設。本施設の稼働により、収穫後の酒米の高度な乾燥処理が可能となり、玄米品質やトレーサビリティが向上するほか、最終製品である日本酒の品質が向上する。

酒米は高度な精米によって品質を形成しており、作業工程で玄米の胴割れ(注)1 が発生すると、見かけの精米歩合(注)2 は上がりますが、実質の精米歩合は上がらず、日本酒の品質低下を招く。

胴割れは乾燥工程で発生しやすく、高品質を実現するには低温乾燥が必須となるが、今般導入した設備は、もみに満遍なく遠赤外線を照射することで乾燥温度を下げることが可能となる。

また、複数の保冷タンクを設置することで二段乾燥が実現できるため、玄米の胴割れ率を低減し、最終製品である日本酒の品質向上に貢献する。

(注)1 胴 割 れ 米粒の内部に亀裂が生じる現象で、精米時に砕米が多発し、歩留まりや食味の低下を招く。
2 精米歩合 米の精白の程度示す割合。玄米重量に対する白米重量の割合で、数値が低いほど高度精米と言える。

pdf (akita-bank.co.jp)

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