スルガ銀行は、2022年10月28日に公表した元社員(2023年1月25日懲戒解雇)が顧客の金銭を着服した事案について、本事案の発覚後直ちに、外部弁護士の協力のもと調査を開始するとともに、原因分析を踏まえた実効性のある再発防止策を検討してきた。以下、調査状況や再発防止に向けた取組みについて公表した。
- 元社員の属性
一般社員 - 事故発生店
小田原支店 - 着服の方法
元社員が世帯の預金管理を行っている顧客から、本来必要のない出金伝票を金額等未記入のまま、所定の「受取証」を発行せずに預かり、後日、これらを悪用し、店舗内で自ら現金を出金のうえ着服し遊興費等に使用していた。 - 被害状況
本事案に関するお客さまの被害は1世帯4名、被害総額合計5,630万円。元社員が担当していた本事案の顧客以外に対して、面談、電話等の方法により取引内容に不審な点がないことを確認した。その結果、本事案以外の被害は判明していない。 - 発覚の経緯
2022年10月21日に被害者である顧客が小田原支店に来店、身に覚えのない出金があるとの申出があり、本事案が発覚した。 - 発生期間
2021年8月27日から2022年10月21日
本事案発覚後、同社では、元社員以外の社員による同様の着服行為の有無について、全店調査を実施した。具体的には、全営業店の定例訪問先について、訪問目的、担当者、訪問頻度等から、不自然な取引の有無について調査するとともに、定例訪問先の全ての顧客に対する注意喚起文書の発信及び電話・訪問によるアフターフォローを実施した。さらに、全社員向けに不正調査アンケートを実施し、調査の網羅性を補完した。上記の調査の結果、元社員以外の社員による着服等の事案は確認されなかった。
課題認識と再発防止への取組みについて
- 各種取扱ルールの厳格化
- 営業社員による出金等のオペレーションを制限するとともに、営業社員が店頭で顧客に現金を交付する場合は、当該営業社員以外の社員が立ち会う。
- 不正防止の観点での社員管理、牽制
- 部店長は、社員の行動を確認し、特定の取引先や高齢の顧客等から頻繁に通帳・現金等を預かっていないか、その他不正が疑われる取扱いがないか等を随時確認する。
- 顧客から現金・通帳・出金伝票等を預かる際は、必ず同社所定の「受取証」を発行することを、ホームページ、店頭、伝票に掲載するなどして顧客へ周知する。
- モニタリング・内部監査の強化
- 自店検査※によって不正を早期に察知できるように検査方法等を見直す。
- 各部店において、不正・不祥事故防止及び内部管理体制の強化を目的として、定期的または本部の一括指令に基づき独自に実施する検査
- 各所管本部が再発防止策の実施状況について検証を実施する。また、内部監査部は営業店及び所管本部による再発防止策の実施状況及び検証状況を確認する。
- 自店検査※によって不正を早期に察知できるように検査方法等を見直す。
- 社員へのサポート
- 健康相談室から様々な情報発信を定期的に実施。
- 他者に相談できない私生活の悩み等について、会社関係者に知られることなく安心して相談できる外部相談窓口を設置する。