株式会社日立製作所(執行役社長兼 CEO:東原 敏昭)と株式会社みずほ フィナンシャルグループ(執行役社長:佐藤 康博)および株式会社みずほ銀行(頭取:藤原 弘治)は、2017 年 10 月より、サプライチェ ーン領域におけるブロックチェーン技術の活用促進に向け、共同実証を開始する。
日立とみずほは、本実証実験を通じて、サプライチェーン・マネジメントシステムに おけるブロックチェーンの実用化に取り組むとともに、将来的には、サプライチェーン・ ファイナンスの実現も検討していく。複数の国にまたがる資材の海外調達業務では、各拠点・各業務での受発注、納期に関する情報(台帳)の管理が複雑となっており、発注登録や、注文書と請求書の照合・相互承認、 総合的なコスト管理に時間を要するといった課題がある。
調達業務にブロックチェー ン技術を活用することで、各拠点・業務間で受注・入金データを共有し、サプライチェー ン全体の状況把握が可能となるとともに、部品の供給元などに関する情報を記録すること で、信頼性の高いトレーサビリティ管理を実現。
今回の実証は、日立グループのグローバル・サプライチェーンの一部を対象に、ブロックチェーン技術の適用とその効果の検証を共同で実施するもの。具体的には、2017 年 10 月より、グローバルで資材調達が必要な装置や部品などのサプライチェーンを、ブロッ クチェーン技術を用いて統合的に管理するアプリケーションのプロトタイプの開発に着手。
本アプリケーションを IoT プラットフォーム「Lumada」(ルマーダ)上に構築 し、日立グループの複数のアジア拠点における受注・入金データや部品に関する情報など の統合管理効果を評価・検証していく。 これにより、日立は調達や在庫管理の業務効率を向上し負荷軽減を図るほか、受発注に関する迅速な意思決定が可能となる。また、みずほでは、受発注情報に応じた迅速 な決済や融資の提供が可能となるなど、企業側の受発注システムと銀行サービスをシーム レスに連携させることで、サプライチェーン・ファイナンスへの応用が期待できる。加えて、受発注情報や決済履歴などのビッグデータ蓄積・利活用による、新たなビジネス機会創出にもつながる可能性がある。
(※)ブロックチェーン技術:
分散型台帳技術。複数拠点に分散されたサーバなどの通信機器に、それぞれ同一の記録を同期さ
せて一つの台帳を維持する仕組み。
(※)サプライチェーン・ファイナンス:
企業のサプライチェーンにおける資金決済の効率化や、企業の資金繰りの効率性の改善に貢献す
る金融サービス。
(※)Lumada:
日立の幅広い事業領域で蓄積してきた OT(Operational Technology)と IT の融合により、IoT 関連
ソリューションの開発と容易なカスタマイズを可能とする IoT プラットフォーム。
(※)The Linux Foundation:
オープンテクノロジの開発や商用展開を加速するエコシステムを構築するために 2000 年に創設
された組織。世界中のオープンソースコミュニティと協力して、史上最大の共有技術投資を作り
出すことにより、難解な技術問題を解決している。
(※)Hyperledger:
産業横断的なブロックチェーン技術の活用を促進するために発足した共同開発プロジェクト。金
融機関をはじめ、各産業の有力企業が共同でオープンソースの分散型台帳(distributed ledger)
フレームワーク開発などに取り組む。
https://www.mizuhobank.co.jp/release/pdf/20170921release_jp.pdf