株式会社三菱 UFJ 銀行(取締役頭取執行役員 半沢淳一)は、2024 年 11 月 22 日のプレスリリース「元行員の不祥事について」にて公表た元行員による貸金庫からのお客さま資産の窃取事案について、事案の発生原因の分析と再発防止策の策定が完了し、また、本事案を受けた関係役員の処分について決定、これらの内容や被害の確認・補償の状況等について公表した。
1. 顧客被害の確認・補償の状況
被害にあった顧客と被害内容の確認を進めており、また、被害内容が確認された顧客に対しては順次補償を実行している。
被害内容:顧客の貸金庫に保管されている現金、金(きん)など
被害総額:約 14 億円※
補償の実行:40 件、約 7 億円※
※ 1 月 10 日時点の状況。顧客との被害内容の確認をへて変動する可能性がある。
2. 発生原因
今回の貸金庫事案について、貸金庫の管理手続・ルールおよびその運用の不備、拠点内外からの牽制・モニタリングの不十分さが発生原因であったと考えている。
①貸金庫の管理手続・ルール、運用の不備
• 貸金庫の予備鍵等の管理の不備
• 貸金庫の入退室や開閉等の管理不備
②拠点内での牽制・モニタリングが不十分
• 役割分担の固定化
• マネジメントによる牽制・モニタリングが不十分
③本部等による牽制・モニタリングが不十分
• 子会社による予備鍵の点検方法が不明確
• 子会社や銀行部門検査室の牽制・モニタリングが不十分
3. 再発防止策
発生原因を踏まえて、予備鍵の本部一括保管を含めた重層的な再発防止策を策定する。
① 貸金庫に関する手続・ルールの見直し、管理強化
• 貸金庫の予備鍵等の重要物の管理の強化(予備鍵の本部一括保
管を含む)
• 貸金庫への入退室・開閉等の管理強化
• 貸金庫ビジネスの方向性の検討(中長期)
② 拠点内での牽制・モニタリングの強化
• 営業課長への直接的な牽制の強化
• 健全な猜疑心を持った拠点内での相互牽制、支店マネジメント
からの牽制・モニタリングの強化
③ 本部等による牽制・モニタリングの強化
• 子会社によるチェック・牽制機能の強化
• 部門検査室によるチェック・牽制機能の強化
• 子会社と部門検査室によるチェック・牽制の位置づけの再整理
④ 人事運営の見直し
• 営業課長を含む支店マネジメントへの再発防止に向けた意識徹底
• 早期の不正検知の観点からの営業課長の人事運営の見直し
⑤ 法令等遵守意識の再徹底
• トップメッセージの発信による意識付け、行動規範等の再徹底
• 研修等を通じた行動規範、法令等遵守意識の再徹底
• 不正防止強化に向けた、周囲に対する「気づき」の声の収集