全国銀行協会は、令和2年度の成長戦略等が閣議決定されたことを受け、以下コメントを公表した。
Society5.0の実現に加え、ウィズ/ポスト・コロナ時代への対応として、デジタル化の一層の推進や新しい働き方の定着といった項目が盛り込まれるなど、わが国が直面する社会課題の解決と経済成長の実現に資する内容であり、銀行界として歓迎したい。
まず、経済活動のデジタル化や効率的且つ公平な全世代型社会保障給付の実現等の社会課題の解決に向けて、預貯金口座へのマイナンバー付番の在り方の検討や、金融機関を含めた各種手続きの対面・書面・押印の不要化、電子化の推進が盛り込まれた他、振込手数料や銀行間手数料の見直し、多頻度小口決済の利便性向上、全銀システムへの優良なノンバンクの参加についても明記された。決済に係る社会的コストの削減や新たな生活様式の模索の中でキャッシュレス化が一層進展していくことが見込まれ、全銀協としても決済システムの信頼性・安全性を維持しつつ、環境変化に即した決済インフラの検討を進めていく。
また、エネルギーや環境の領域をより持続可能でレジリエントなものへ変革させていくための取組みも示されており、グリーンファイナンスの推進等、金融面から持続可能な社会を築くために貢献していく。
加えて、お客さまが金融・非金融の垣根を超えて、シームレスにサービスを享受し得るための規制見直しが盛り込まれた。具体的には、2020年度中の銀行業高度化等会社制度の抜本的見直し、銀行グループにおける事業会社出資規制の在り方の検討、銀行グループが保有するリソースの最大活用のため付随業務・従属業務規制の見直しに加え、銀行界がかねてより訴えてきた国内顧客を含めたファイアーウォール規制の見直しについて、外国法人顧客情報のファイアーウォール規制の対象からの除外とともに検討を行うことが明記された。
今後、規制見直しの具体的な検討を行う際には、銀行界としても積極的に議論に参加し、成長戦略等に明記された通り骨太な議論が行われ、わが国の社会課題解決と経済成長の実現に資する金融面の規制の見直しが実現することを強く期待する。