株式会社いよぎん地域経済研究センター(略称IRC、社長 重松 栄治)では、建設業の生産性向上の取り組みについて調査結果を取りまとめ、公表した。
【調査概要】
・ これまで多くの時間と人手、そして、熟練者の技術と技能を必要としてきた建設現場。 高齢化等により今後 10 年間で、現場で働く技能労働者の3分の1が離職すると予想さ れている。
・ こうした状況を踏まえ、国土交通省では、建設現場の全工程にICT(情報通信技術) を取り入れるなどし、生産性の向上を目指す「i-Construction」(アイ・コンストラク ション)の取り組みを 2016 年4月より本格化している。本稿では i-Construction の 3つの具体的施策のうち、“土木工事へのICTの全面的な活用”について全国と愛媛 の状況をとりまとめた。
・ ICT活用工事を実施した企業からは、施工時の丁張りが不要となることでの省人化 や工期短縮、安全性の向上などの効果を実感する声が挙がった。一方、そもそもIC T活用工事の対象となる大規模工事が少ないことから、ICT導入に慎重的な意見も 多かった。
・ 今後は自治体が発注する公共工事においてもICTが普及するとみられ、ICTが当 たり前の時代となるだろう。また、ICTは若手人材の技術不足・経験不足を補完す ることから若手の活躍の場が広がり、人材の確保・定着にもつながる。
・ i-Construction の目的は、建設業の生産性を向上させることで現場で働く人々の処遇 を改善させ、「給与が良く」「十分な休暇が取得でき」「将来に希望が持てる」、新3K の実現を目指すことである。その1つの施策であるICT活用により建設業が魅力あ る産業となることに期待したい。